Featured image of post 奥武蔵の彼岸花を歩く|巾着田・寺坂棚田・東秩父、写真と低山で楽しむ秋

奥武蔵の彼岸花を歩く|巾着田・寺坂棚田・東秩父、写真と低山で楽しむ秋

奥武蔵周辺の彼岸花スポットを、巾着田・寺坂棚田・東秩父村の3か所を中心に紹介。大群生、棚田と武甲山、清流の山里と、それぞれ異なる景色を写真目線と近くの低山ハイキングを交えて案内します。

彼岸花(曼殊沙華)というと、奥武蔵ではまず巾着田を思い浮かべる人が多いと思います。

木陰を真っ赤に埋め尽くす大群生は圧巻です。

ただ、奥武蔵周辺を歩いていると、他の場所に咲いている彼岸花の魅力に気づきます。

棚田の畦に咲く花。

清流の脇に咲く花。

山里の路傍に、ぽつぽつと現れる花。

同じ彼岸花でも、場所が変われば秋の景色はまったく違います。

この記事では、

  • 巾着田 ― 林の中を埋め尽くす紅いじゅうたん
  • 寺坂棚田 ― 棚田と武甲山を背景にした秩父の秋
  • 東秩父村 ― 清流と山里を歩きながら探す彼岸花

の3か所を中心に紹介します。

写真を撮る際の見どころ。

近くの山と組み合わせるなら、どんな歩き方ができるのか。

そんな 「写真+花+低山歩き」 の視点で、秋の奥武蔵を見ていきます。

先に結論

紅い絨毯、光と影    巾着田
棚田の黄金色と赤    寺坂棚田
水辺と山郷の風景    東秩父村

同じ彼岸花でも、楽しみ方が違うのが魅力です。


巾着田|木陰を埋め尽くす紅いじゅうたん

巾着田の曼珠沙華

巾着田の曼珠沙華(筆者撮影、2023)

巾着田の彼岸花は、やはり別格です。

林の下を覆うように花が密生し、見頃になると地面が真っ赤なじゅうたんのようになります。

日高市も巾着田を、日本最大級の曼珠沙華群生地として紹介しています。

規模だけでも十分に見応えがありますが、写真を撮るにあたって興味深いのが花が木陰に咲いていることです。

巾着田は「光」を探すのが面白い

「光」をテーマに散策

「光」をテーマに散策(筆者撮影、2023)

林の中なので、場所によって明るさが大きく変わります。

木漏れ日が一輪だけを照らしていたり、西日が低い角度から差し込んで紅い花を浮かび上がらせたりします。

一面の赤を広く撮るだけでなく、

  • 木漏れ日
  • 林の暗部
  • 強い斜光
  • 木々の奥行き
  • 高麗川
  • 橋などの構造物

を組み合わせると、同じ場所でもかなり違った写真になります。

特に、暗い背景に紅い彼岸花だけが浮かぶ場面は巾着田らしい画です。

強い斜光が当たった彼岸花

強い斜光が当たった彼岸花(筆者撮影)

ポートレートにも向く場所

散策路が広く、撮影位置を選びやすいのも巾着田の特徴です。

人物を撮る場合も、木陰を利用すれば真上からの強い光を抑えられます。

そこへ横から入る斜光を使ったり、ストロボと組み合わせる事でテクニカルな撮影が楽しめます。

木製トラス橋の下は人が集まる人気スポット

木製トラス橋の下は人が集まる人気スポット(筆者撮影、2023)

ただし、見頃の休日は人が非常に多いため、

写真をじっくり撮りたいなら平日や早い時間帯を検討した方がよいでしょう。

また、開花状況によって日程や有料期間が変わる場合があるため、出発前には公式の開花情報を確認してください。

2026年の巾着田曼珠沙華まつりは、日高市の案内では9月21日から10月6日までの予定です。

日和田山から歩いてみる

巾着田だけを見るのもよいのですが、奥武蔵らしく楽しむなら日和田山と組み合わせるのがおすすめです。

一例として、

日和田山登山口
→ 田部井淳子さんの記念碑
→ 巾着田
→ 高麗駅

という流れがあります。

日和田山を軽く歩いたあと、そのまま巾着田へ下り、最後は高麗駅へ向かいます。

巾着田を出ると観光客の密度も少し下がり、普通の里道に戻っていきます。

このあたりでは民家の庭先にもさまざまな花が咲いていて、彼岸花だけを目的にしていると見落としてしまいそうな景色があります。

全国区の観光地と、静かな奥武蔵の里。

その両方を続けて歩けるのが、このコースの醍醐味です。


寺坂棚田|彼岸花と武甲山を一枚に

寺坂棚田の様子

寺坂棚田の様子(筆者撮影、2026)

巾着田が「花そのものの圧倒感」なら、寺坂棚田は周囲の風景を含めて見たい場所です。

横瀬町にある棚田の背景には、秩父を象徴する武甲山が大きく構えています。

秋になると、棚田の畦に彼岸花が咲きます。

そこへ稲穂の黄金色と武甲山が加わります。

赤・黄金色・緑・グレー

寺坂棚田で狙ってみたいのは、色の組み合わせです。

彼岸花の赤。

稲穂の黄金色。

武甲山に残る緑。

そして石灰岩採掘地のグレー。

彼岸花だけを切り取れば、他の場所でも似た写真は撮れます。

しかし、この4色を棚田の立体感と一緒に収めると、かなり「秩父らしい」写真になります。

棚田の段差が写真に奥行きを作る

寺坂棚田からの武甲山

棚田から望む武甲山(筆者撮影、2026)
来訪時は彼岸花には時期早々
盛期に再訪したい

平らな群生地と違い、棚田には段差があります。

畦の曲線に沿って彼岸花が並べば、自然に視線が奥へ誘導されます。

広角で棚田全体を見わたしつつ、近景にボカした彼岸花の赤をアクセントに入れたり、

望遠で彼岸花と山を圧縮して見せるなど、

巾着田とは写真の考え方がかなり違いそうです。

山を組み合わせるなら武甲山か日向山

寺坂棚田の背景そのものが武甲山です。

しっかり登山をするなら、武甲山を歩いたあとに寺坂棚田へ寄るプランも考えられます。

一方、彼岸花を主役にして軽く歩くなら日向山の方が組み合わせやすそうです。

寺坂棚田と日向山なら、

秋の里山散策+彼岸花+武甲山の展望

という一日にまとめられます。


東秩父村|清流のそばで彼岸花を探す

槻川沿い、腰越の彼岸花

槻川沿い、腰越の彼岸花(筆者撮影、2019)

東秩父村の彼岸花は、巾着田とはまったく性格が違います。

一面を埋め尽くす大群生を見るというより、村を歩いていると次々に彼岸花が現れる感じです。

村役場周辺や槻川沿い、安戸、腰越など、広い範囲で見ることができます。

筆者も以前訪れていますが、東秩父で印象に残るのは、花の数以上に周囲の山里の景色です。

水辺が入るだけで雰囲気が変わる

槻川の清流と彼岸花

槻川の清流と彼岸花(筆者撮影、2019)

東秩父で写真を撮るなら、ぜひ槻川を意識してみてください。

河原。

流れる水。

川面の反射。

小さな橋。

その脇に咲く紅い彼岸花。

巾着田の暗い林とは違い、こちらは明るく開けた山里の景色になります。

花を大きく撮るのもよいですが、少し引いて、

「彼岸花が咲いている東秩父の秋」

そのものを写した方が、この場所らしさが出ます。

台風被害から少しずつ戻ってきた風景

回復しつつある槻川と彼岸花の風景

回復しつつある槻川と彼岸花の風景(筆者撮影、2024)

東秩父村の彼岸花は、令和元年の台風19号で大きな被害を受けました。

以前訪れたころと比べると、場所によって花の状態にも差があります。

それでも近年は少しずつ回復し、再び槻川沿いなどで彼岸花を楽しめるようになってきました。

大群生地の完成された景色とは違い、山里の暮らしの中に花がある。

それも東秩父の魅力だと思います。

官ノ倉山と組み合わせやすい

軽い山歩きなら官ノ倉山が候補です。

もう少し歩きたいなら、比企三山の一つ笠山もあります。

東秩父の場合、

山に登る
→ 村へ下りる
→ 川沿いや集落を歩きながら彼岸花を探す

という楽しみ方がよく似合います。

車で一か所ずつ追いかけるより、道の駅やバスなどを利用して少し歩いてみるのもおすすめです。


どこへ行く? 3か所を簡単に比較

スマートフォンでも見やすいよう、特徴だけ簡単にまとめます。

場所こんな景色写真なら近くの山
巾着田林+大群生木漏れ日、斜光、紅いじゅうたん日和田山
寺坂棚田棚田+武甲山棚田の立体感、秋色、山景武甲山、日向山
東秩父村清流+山里河原、川、集落を含む風景官ノ倉山、笠山

迷ったら、

「花を見たい」のか、
「風景を撮りたい」のか、
「歩きながら探したい」のか。

これで選ぶと分かりやすいと思います。


越生・ときがわでは「ついでに探す」のも楽しい

奥武蔵の彼岸花は、有名スポットだけに咲いているわけではありません。

越生やときがわを走ったり歩いたりしていると、道路沿い、畑の脇、集落の中などで彼岸花を見かけます。

たとえば、黒山三滝へ向かう道路沿いにも彼岸花が現れます。

こういう花は、わざわざ目的地として検索して行くものではないかもしれません。

でも、山歩きの途中で突然紅い花が見えてくるのも、秋の奥武蔵らしい楽しさです。

さくらの山公園|越生ハイキングの寄り道に

越生のさくらの山公園も、彼岸花を楽しめる場所の一つです。

ここは彼岸花だけを目的に遠征するというより、越生ハイキングと組み合わせるのがよさそうです。

越生町役場の駐車場は、大高取山などを歩く際にも利用しやすく、さくらの山公園はそこから近い場所にあります。

たとえば、

越生町役場
→ 大高取山方面を歩く
→ 下山後にさくらの山公園へ

という寄り道ができます。

山歩きに「秋の花」を一つ足す。

そんな使い方が似合う場所です。

慈光寺道|古寺へ続く道と秋の花

ときがわ方面なら、慈光寺道も候補です。

こちらも大群生を見る場所ではなく、古寺へ続く道と山里の雰囲気を楽しむ場所です。

彼岸花に加えて秋海棠が見られる時期もあります。

寺社、山道、林、季節の花。

派手さはありませんが、奥武蔵らしい静かな秋を撮るには趣のある場所です。

路傍のコスモスと秋海棠

路傍のコスモスと秋海棠(筆者撮影)


彼岸花の名所を巡るより、秋の奥武蔵を歩いてみる

巾着田の大群生は、一度は見ておきたい景色です。

さらに、奥武蔵を移動すれば違った彼岸花の魅力に出会う事ができます。

寺坂棚田では、棚田と武甲山を含めた秋の風景になる。

東秩父では、槻川と山里の中に紅い花が点在する。

越生やときがわでは、山歩きの途中で道端の彼岸花を見つける。

どこも、 それぞれ別の楽しみ方がある のだと思います。

彼岸花だけを目的に車で名所を巡るのもよいですが、今年は少し歩いてみてはいかがでしょう?

低山を一つ、行き帰りに里を歩く。

川沿いや集落を歩きながら紅い花を探す。

そんな一日が、秋の奥武蔵として記憶に残るかもしれません。

東秩父村安戸の彼岸花

東秩父村安戸の彼岸花(筆者撮影、2023)


関連記事

季節の花と軽い山歩きを組み合わせたい方は、高原の「ゆる登山」記事もどうぞ。

寺坂棚田から秩父方面へ足を延ばすなら、こちらもあります。


巾着田へ行かれる方へ

2026年のアナウンス

2026年の「巾着田曼珠沙華まつり」は、日高市の案内では 9月21日(月・祝)~10月6日(火) の予定です。

花の開花状況によって期間などが変更されることがあります。

また、見頃には周辺道路が非常に混雑します。

巾着田は西武池袋線・高麗駅から徒歩でアクセスできるため、ピーク時は公共交通機関の利用も検討してください。

開花状況、入場料、有料期間、駐車場、撮影ルールについては、出発前に必ず最新の公式情報をご確認ください。

参考・公式情報

ADVERTISEMENT

Hugo で構築されています。
テーマ Stack は Jimmy によって設計されています。